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領地ごと、君を

フェルディナンドがローゼマインを分からせるためのSS夕食を終えた後、ローゼマインは夫婦の居室にある長椅子で本を開いていた。頁へ視線を落としてはいるものの、内容は少しも頭に入ってこない。同じ行を三度読み返したところで、本の上に大きな手が置かれ...
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欲しかったもの

2人がニルスについて話をするSSニルスが初めて二人を「おかえり」と迎えた夜。夕食を終え、眠る前の読み聞かせをして、魔術具に魔力を流したことも確認した。寝台へ入ったニルスが穏やかな寝息を立て始めるまで、マインはその傍を離れなかった。「もう寝た...
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あの日のわたし

ある日の苦しんでる子その子を見つけたのは、春の終わりのよく晴れた日だった。市場で買い物を終えたマインとルッツは、紙束と食料を抱えて工房へ戻る途中だった。「だから、これ以上は持てないって言っただろ」「でも、あのお店のインクは今日だけ安かったん...
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わたし達の家族

子どもについて話す2人のSSルッツが帰宅すると、マインは食卓の前で頬杖をついていた。夕食はほとんど手付かずで、視線は開いた本へ向けられている。けれど、先ほどから一度も頁がめくられていない。「マイン」呼びかけても、反応がない。ルッツは溜息を吐...
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最も近くで呼ぶ名

ささやかな嫉妬と、フェルディナンド様の重たい独占欲をひと匙……「義母様、本日はありがとう存じます。」「フロレンツィア様。本日は細やかなお心遣いを賜り、感謝いたします」別れの挨拶をするフェルディナンドは、非の打ち所がないほど優雅だった。その隣...
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四人で歩く下町

下町でルツトゥリ✕フェルマイな、お忍びデートSS「もう一度、確認するぞ」ルッツは腕を組み、目の前に立つ二人を順番に見た。「今日はアウブも領主候補生もいない。いるのは、久しぶりに故郷へ帰ってきたマインと、その夫のディーノさんだ」「なぜ私がその...
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卒業の日に手を取る人

フェルマイの卒業式エスコートのSSエーレンフェストの養女として入学した少女が、アウブ・アレキサンドリアとして卒業し、フェルディナンドに手を取られる日卒業式の朝。アレキサンドリアの寮は、日の出前から慌ただしかった。「ローゼマイン様、どうか動か...
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ここにいると答える夜

フェルマイで、5学年時の時かけ後にフェル様のところにマインちゃんが戻ってきてからの夜〜寝台の様子診察を終え、食事を摂り、側近たちへの説明も最低限済ませた頃には、すでに夜も深くなっていた。ローゼマインは湯浴みを終え、柔らかな夜着に着替えさせら...
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おかえりを言うまで

フェルマイで、5学年時の時かけ後にフェル様のところにマインちゃんが戻ってくるお話光が弾けた。始まりは、それだけだった。何もなかったはずの転移陣に複雑な魔力の線が走り、淡い金色の柱となって立ち上る。フェルディナンドは椅子を蹴るようにして立ち上...
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帰る場所の、その先

鏡の中には、見慣れない女性がいた。 丁寧に結い上げられた夜空のような髪。成人女性の証として露わになった項には、淡い色の魔石を連ねた首飾りが輝いている。 今日のためにトゥーリが作ってくれた髪飾りは、アレキサンドリアの紋章に使われている色を基調...